第30回『大工ツールコレクションⅥ』part2 前回の続きです。

第30回『大工ツールコレクションⅥ』part2 前回の続きです。

 

鉋刃の調整が終わりやれやれと思いきや次に控えているのが《鉋台》の調整です!
 
まず鉋刃を固定している《鉋台》が狂っていないか確認しなければなりません。
 
この《鉋台》、たいてい『樫(かし)』と言う堅木(かたぎ)で作られていますが、基本的には木なので湿気や乾燥などにより反りが生じます。
 
この反りを修正してやる必要があります。
刃が出ている鉋台下端は限りなく平らでなければ材料を均一に仕上げることが出来ません!
 
と言いつつも、この《鉋台》も鉋刃同様、若干の細工を施してやらねばなりません!
つまり全面まっ平と言うわけでもないのです(ややこしいですね)。
 
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図のように台の先端部と刃口と台の後端部のA、B、Cの3点が平行でその点と点の間が0,3ミリほど鋤き取られた状態がベストです。
これまた微妙な寸法ですね(笑)!
この微妙な鋤き取り作業も《台均し鉋》という鉋で行います。
 
F1020023.jpg
つまり鉋を鉋で削る訳です。)ホントややこしいですね(笑)!
 
で、いよいよ削れると思いきや、まだやらなければならないことがあります(^^;)。
鉋台から鉋刃を髪の毛一本ほど出さなければなりません。
 
もちろん定規などありませんからひたすら経験と勘の勝負です!
 
で、ようやく材料を削れる訳ですがただ削ればいいという訳ではありません・・・もう勘弁して・・(^^;)。
 
前述した通り木目の向きを確認し鉋刃の出具合を確認します。最初は刃が出ているかいないかぐらいで様子を見ます。たいして削れていなければその都度鉋刃の頭を玄翁(げんのう)で叩き調整していきます。その際《裏金》の位置も再度正確に合わせます!
少し刃が出過ぎたなと思うときは鉋台の先端上部を軽く叩きます。すると鉋刃は引っ込んでいきます。
 
最終調整が終わればようやく材料を削れるのですが・・・。
 
ここで問題なのが削る時の姿勢です(まだですか・・・)。
まず軽く膝を曲げた体勢のお臍の高さぐらいに材料を載せる《削り台》をセットします。で、右利きの人は右手で鉋台の刃口やや後方を上から押さえ込むように握ります。左手は鉋台の先端部に添えるようにして置きます。
あとは息を止めて一気に腰で引く感覚で削っていきます!
 
やはり微妙な力の入れ具合によって仕上がりが違います。
達人クラスになるとその鉋屑の薄さは3ミクロン(1000分の3ミリ)程だそうです!
 
昔の大工の親方がその職人の技量を測る物差しとして《鉋削り》をやらせたそうですが、確かにそこそこの腕がなければきれいに材料を仕上げる事が出来ません。
今は《超仕上げ》といういい機械があり刃の調整さえしっかり出来ていれば誰でも簡単に材料をきれいに仕上げられます(しかも巾広い材料も一発で削れます)。
 
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まぁこれだけ大きな機械なので現場には持ってこれませんが・・・(^^;)。
 
ただあれだけの手間と技術を要した《鉋》に比べれば圧倒的にスピーディーですし刃を常に研磨しておけば仕上がりも《鉋》と殆ど遜色ありません。
 
ですが、やはり現場で《鉋》を使わないと言うことはないので普段の手入れと技術のマスターは欠かせません!
 
 
《鉋》には他に《底取り鉋》、《際鉋》などの敷居や鴨井の溝を仕上げられる鉋やアールの内側を削れる曲面鉋、材料の面を均一に取れる《面取り鉋》など多種多様な《鉋》が存在します。
 
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削ると言うことであれば電動の《電気カンナ》、若しくは《自動カンナ》などがあります。
 
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厚みを大きく落としたいときなどは《電気カンナ》が有効で、きっちり材料の厚みを決めたいときなどは《自動カンナ》に材料を突き入れて正確な分(ぶ)を決めます。
 
 
とにかく全国の少数派『ゲンさん』たちはそれなりに苦労しつつも今日もどこかで3ミクロンの花吹雪を舞い上がらせているのです!
 
ところでタケシくんのお母さん、お取り込み中なんなんですがいくらフワフワに削れるからといって私の鉋で鰹節削るのはちょっと・
2012-05